あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ボウモア・セミナー 2018 〜2〜

barvirgo2018-05-23

さて、ボウモアセミナーで伺ってきたボウモア蒸溜所のウイスキー造り、昨日は製麦からマッシング(糖化工程)までだったので、今日はファーメンテーション(醗酵工程)から書かせて頂きます。
ボウモア蒸溜所ではマッシングの時の1回目と2回目に投入したお湯で得たウォート(麦汁)の合わせて40,000リットルを1つのウォッシュバック(醗酵槽)に投入し、そこにおよそ100kgのイースト(酵母)を合わせて投入し約48時間掛け、アルコール度数にして約7.5%のウォッシュ、まあビアーとかも呼ばれる本当にホップの入っていないビールというかもろみを造っています。

ボウモア蒸溜所では木製のウォッシュバック(オレゴンパインとかダグラスファーと呼ばれる米松)を使っているので乳酸菌醗酵も行っていると思われるんですがそう考えると48時間は少し短いような気があるじはしました。
そして使っているイースト、これはマオリ社製酵母とケリー社製酵母を75%:25%の比率で使っているそうで、醗酵の前半でマオリ社製の酵母がよく働き、後半はケリー社製の酵母がよく働き、これがボウモアらしさを出しているのだそうです。
そして蒸溜です。

蒸溜はモルトウイスキー造りでは殆ど蒸溜所が行なっているのと同様2回蒸溜で、1回目は醗酵工程で得たアルコール度数約7.5%のウォッシュ40,000リットルを初溜釜で約7.5時間掛け蒸溜、アルコール度数にして約22%のローワイン16,000リットルを得ているそうです。

そして初溜で得た16,000リットルのローワインと前回の蒸溜の時にカットして残ったフェインツ(樽に詰めるニューメイク以外の部分)を合わせた24,000リットルを再溜釜で蒸溜し、アルコール度数にして約68%のニューメイク4,800リットルを1回の製造工程で得ているとの事でした。
因みに再溜の時間も約7.5時間で、これは投入された量を考えると確かにゆっくりした蒸溜だなと感じました。

で、ここまでが製造工程でこの後は熟成ですが、ボウモア蒸溜所では約68%で取り出したニューメイクを63.5%に加水した後樽詰め、使用しているのはバーボン樽やシェリー樽などなどそんなに他の蒸溜所と大差はありませんが、樽の使用回数は3回までが熟成用で、4回目以降は製品を造った後のマリッジ用(色んな樽で熟成させていた原酒をヴァッティングして味を決めた後それを馴染ませる工程)として使っているのだそうです。
そしてこのマリッジには約半年から1年掛けているそうです。
それとボウモアの原酒は写真にあるようにアイラ島で約23,000樽が熟成中なのだそうです。
等々本当はまだ伺った話など他にもあるのですが、まあ大まかなボウモア蒸溜所のウイスキー造りがこれで少しは皆さんにも伝わってくれればなと思います。
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