あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「あんなにお客様が入っていたのに!!」

とは先日お見えになられたお客様が、先月隣りのお店が閉店した事を知って発した言葉です。
この発言を聞いて、あるじが感じたことを今日は書いてみたいと思います。
先ずそのお客様には隣りのお店には何時もお客様が結構入っているように見えた、それはおそらく本当の事だとあるじも思います。
但し、それが事実なのかどうかはまた別の問題なのです。
そのお客様が行った時や店の前を通った時は確かに多くのお客様が居たかもしれませんが、そのお客様は毎日隣りのお店の前を通るわけではなく、それこそ週に1回も行っていた訳ではないからです。
数ヶ月に1度行ってるかどうか?なのです。
にも拘らず「あんなにお客様が入っていたのに!!」と驚くわけです。
実際にそのお客様が見たのは隣りお店の一時の状況、毎日通っているわけでもない限りその店に本当に何時もお客様が居るかどうかなんて分かる訳ないのです。
そして隣りのお店のスタッフに閉店前に聞いたところ、隣りの店は系列店も同じ赤坂にある所為か、提供している内容は違っても価格帯の設定などもあり他の系列店にお客様が流れてしまっていたそうです。
まあお客様からすれば場所やちょっとしたメニューは違えど同じ店って感じでしょうしね。
なのでお客様からしてみると入っているように見えた隣りの店も、その入っている時というのは徐々に減っていったそうです。
しかしそのお客様が行く時は、行く曜日などもあるのでしょう、何時も入っていたようです。
これが「あんなにお客様が入っていたのに!!」とお客様が驚きつつ閉店した一つ目の理由じゃないかとあるじは思っています。
そしてもう1つあるじが感じているのが、お客様が入っているから店が儲かっているとは限らないという事です。
これはあるじの店でもそうなんですが、お客様が少なくても客単価の高い日は売上げが良く、いくらお客様が多くても客単価が低ければ売上げは上がらないからです。
なのでお客様が多くて混んでいるように見えても実は儲かっていない店って結構多いと思います。
これは本当にうちの店でも時々いらっしゃいますが、1杯で2〜3時間在店していたりするのです。
なのでおそらく隣りのお店でもそうした店には居るけれど殆ど食べない飲まれないというお客様が結構いらっしゃったんじゃないかと思われます。
だからお客様が多かったとしても売上げは上がらず、そして入らない日が増えるんですから、当然経営は厳しく店を閉めざるをえないのです。
てな訳で「あんなにお客様が入っていたのに!!」と感じても、実際にはそれほど入っていなかったり、入っていてもお金を落としていなかったり、こうして皆さんのお気に入りの店も消えていったりしてしまうので、もしお気に入りの店があるのなら、コンスタントに足を運びちゃんとお金を落としていってあげてくださいね。
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