あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 アイリッシュウイスキー

ここ暫らくお酒の事を書いていなかったので、たまにはお酒の事も書かないとね。
って事で、今日は「アイリッシュウイスキー」の事をちょっと書こうと思います。
以前「アイラ」*1とよく間違われるという事を書いた覚えはあるのですが、「アイリッシュウイスキー」そのものの説明はしていなかったので、簡単に説明します。
アイリッシュウイスキー」は、アイルランド島で造られているウイスキーを言います。
ですからアイルランド共和国と、英領北アイルランドで造られているのです。
で、そのウイスキーづくりの現存する記録はスコットランドより古く、1172年アイルランド遠征のイングランド軍が、ウイスキーの前身とみられる蒸溜酒のことを文献に残しているそうです。なのでウイスキーの起源とも言われています。
ではどんな風に造られているのかと言うと、ピート香をつけない大麦麦芽(モルト)、未発芽の大麦、ライ麦、小麦などを混ぜて原料とし、大型単式蒸溜噐で3回蒸溜し、溜出液の中溜部分を樽詰めして熟成したものをストレート・アイリッシュウイスキー(原酒)と呼んでいて、この原酒をそのままボトリングしたり、原酒どうしをヴァッティングしたものが以前の主流で、現在はそれにトウモロコシを主原料に造られた、グレーンスピリッツをブレンドしたタイプのものが主流だそうです。
しかし最近ではピート香をつけたタイプのものも出てきています。
そして驚く事に何種類もの「アイリッシュウイスキー」があるのですが、それらを造っている蒸留所は現在3ヶ所*2だけなのです。
そして味わい的には原酒を3回蒸留しているせいか、雑味が少なく軽い感じで、スッキリした味の製品が多い気がします。
そこで、スコッチやバーボンもいいですが、たまにはウイスキーの原点「アイリッシュウイスキー」を飲まれてみてはいかがですか。

*1:アイラ島で造られるスコッチウイスキーシングルモルトだけでなくバテッドモルトやブレンデットもあり

*2:ブッシュミルズ蒸留所(1608年創設、ペルノ・リカール社所有)ミドルトン蒸留所(1975年創設、アイルランド・ディスティラーズ所有)とクーリー蒸留所(1987年創設、独立系)