あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「テンプルトン                    ライウイスキー」

barvirgo2008-08-15

「あるじの店」に新しく入荷したウイスキーで、ちょっと面白い物があったので、それを紹介します。
それはタイトルにある「テンプルトン」というライウイスキーなのですが、まずは簡単にライウイスキーについて説明した方がよいでしょうね。
ライウイスキーとは、原料にライ麦を51%以上使って造られなければならないと、 アメリカの法律で決められています。
それ以外は、基本的にバーボンと同じだと思っていただいて構いません。
そして、第2次世界大戦が行われていた頃までは、どちらかというとバーボンより飲まれていたそうですよ。
で、そんなライウイスキーにあって、今日紹介する「テンプルトン」は、アイオワ州で造られているのですが、ライウイスキーの中でも珍しい、ほぼ100%のライ麦で造られているそうです。
また蒸留方法も、アメリカのウイスキー造りでは珍しい銅製のポットスティル(単式蒸留器)を使っての2回蒸留だそうです。
但し、熟成はバーボンと同じ様にアメリカンオークの新樽をヘビーチャー*1した  ものを使い、4年間熟成させるのだそうです。
そして何とこの「テンプルトン」は、禁酒法時代に暗躍したかの有名なアル・カポネが愛飲したウイスキーなのだそうです。
しかもアル・カポネは晩年に、アルカトラズ刑務所に投獄されていた時、どうしてもこのウイスキーが飲みたくて色々な手を使ったのでしょう、刑務所の中に持ち込んでいたようです。
というのも、彼の入っていた独房から、このウイスキーのボトルが発見されているそうです。
ね、ちょっと面白いウイスキーだと思いません?
しかもこのウイスキーの製法は、今も当時のままなのだそうです。
で、自分も飲んでみたのですが、香り豊かで口当たりはスムース、バーボンに  比べるとクセも無く、とても飲みやすいウイスキーでした。
少量生産で本数限定で日本に入ってきたようですが、ちょっと気になる方はまだ「テンプルトン」で検索すれば、販売しているサイトが幾つかあるので、買ってみては如何?

*1:樽の内側を樽の表面が割れるぐらい焼き焦がす事