あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 バッファロートレース・セミナー

barvirgo2013-01-20

先日、今年から明治屋が正規代理店となり、日本で販売される事になったバッファロートレースのセミナーに行って来ました。
バッファロートレース自体は今まで並行品が流通していたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、並行品の場合流通経路が曖昧で、定温コンテナで運ばれていない物もあるので、正規代理店がついたのはとても良い事だと思います。
実際セミナーの中の質問タイムに、「バッファロートレースの発売当初と現在では味が違うが、マッシュビル*1を変えているのか?」なんて質問があり、当時と今でも味に違いがないと蒸留所から見えたアンバサダーの方が答えていらっしゃったが、もちろんボトルを開けてからの時間などでも味が変わるが、マッシュビルが違うと感じるほど味に違いを感じるというのは、流通の過程での影響が大きいからなんですよね。
なので、あるじも今までは正規が無いので仕方なく並行品のバッファロートレースを仕入れていましたが、これからは正規品が置けるので、それは凄く嬉しく思いました。
っと、だいぶセミナーとは関係ない話になってしまいましたが、このバッファロートレース、先日も蒸留所のオフィシャルサイトがあたらしくなったので見てね!なんてここでも紹介しているように、あるじの好きなバーボンです。
蒸留所としては、この蒸留所名をつけたバッファロートレースの他にブラントンなど幾つものウイスキーをリリースしています。
蒸留所名は何度も変更していて、現在のバッファロートレースになったのは1999年と割と最近なのです。
因みにその前はエイシェントエイジ蒸留所といっていました。
創業は1857年だそうです。
面白い話としては、創業から今まで一度も操業が止まった事がないことだそうです。
なんと!禁酒法の時代も医薬品として製造が認められたケンタッキーでは唯一の蒸留所だったそうです。
そして禁酒法時代にも拘らず、毎月1,000本は売れたんだそうです。
他にも薬として売られていたウイスキーもあったので、禁酒法時代はウイスキーを処方してもらわなきゃいけない病気が流行していたんでしょうね・・・
そんなバッファロートレース蒸留所、幾つものウイスキーを造っているので、貯蔵庫も12棟在り、約40万樽が熟成されているそうなのですが、各ウイスキー熟成させる場所が決まっているそうで、バッファロートレースの場合はC、I、Kの3つの貯蔵庫で、且つその中層階と決まっているそうです。
なのでバッファロートレース蒸留所では樽のローテーションを行なわないそうです。
だからバッファロートレースの場合、中層階なのでエンジェルズシェアが約4%なんだそうですが、上層階で熟成させているものは5%で、下層階で熟成させているものは3%なんだそうです。
造ろうとしているウイスキーのスタイルに応じて置く場所を決めているとは面白いですよね。
またバッファロートレースは8年から12年熟成させた原酒の中から、求める味わいになったと判断した原酒を35から40樽をワンバッチとしてボトリングしているそうです。
そして他のバーボンの多くが4〜6年ぐらいの熟成が多い中8年から12年熟成させるので、樽の内側を焼くチャーの時間を55秒と決めているそうです。
時間で決めているのも面白いと思ったのですが、このぐらいの焼き時間だとミディアムチャーで、他の蒸留所の多くがヘヴィリーチャーの樽を使っているというので、少し長めの熟成に向くのかなとも思いました。
まっ、それ以外にも色々とお話が伺え、とても良いセミナーでしたが、全て書いているとまた長くなってしまうので今回はこの辺までとさせて頂きます。
そして、名前の割りには飲みやすいバーボンなので、是非皆さんもバッファロートレース、飲んでみてください。
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*1:いわゆる原料構成、バッファロートレースの場合コーン8、ライ麦1、モルト1の割合