あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ブルックラディの挑戦!

barvirgo2016-03-05

今月1日(火)、スコットランドアイラ島からブルックラディ蒸溜所のCEO、サイモン・コフリン氏があるじの店「BAR Virgo」にお見えになってくれました。
ブルックラディ蒸溜所はあるじが最も愛する蒸溜所なので、その蒸溜所のCEOがお見えになってくれたのは、凄く有り難くとても嬉しい事でした。
約2年半前には当時のマスターディスティラー、ジム・マキュワン氏にもお越し頂いているので今回の御来店含め、あるじのちょっとした自慢になりました。
なんていう事は措いといて、せっかくサイモン氏にお越し頂いたのだから幾つか気になっている事を聞きたいとも思い、この日はとりあえず2つ質問させえて頂きました。
1つはポートシャーロット蒸溜所の再建問題です。
ポートシャーロット蒸溜所で使用する予定だったポットスティルが前オーナーのマーク・レイニヤー氏にアイルランドへ持って行かれるなんて事もあり心配していたのですが、それ以上に面倒な問題があり、現在はそれにも対処出来ているので再建には一歩前進しているそうです。
で、ここで細かく書いていると話が長くなるので簡単に書くと、ポートシャーロット村に再建される蒸溜所はポートシャーロット蒸溜所ではなく、オリジナル(もともと其処に在った蒸溜所)の名前、ロッホインダール蒸溜所となるそうです。
そしてもう1つ聞いたのは、ブルックラディ蒸溜所ではせっかく島内の契約農家に大麦を作って貰っているのにモルティングをスコットランド・メインランドのインヴァネスでやってもらうのでは非効率だと思うし、島内の雇用を増やしたいブルックラディですからモルトバーンを造らないのかという点です。
こういう事をやるのかやらないのかは社長に聞くのが一番ですからね。
そしてこれの答えはモルトバーンは造りますという解答でした。
なのでアイラ島内で収穫された大麦は近い将来ブルックラディ蒸溜所内でモルティングされ、それこそ大麦からボトリングまで島内で完結という100%アイラのシングルモルトウイスキーがキルホーマン以外でも誕生する事になるわけです。
これは今のアイラバーレイがよりアイラに特化するという事なので、アイラ好きには堪らないウイスキーとなりそうです。
そしてもう1つ、サイモン氏の来店時には聞けなかったのですが流石ブルックラディ、チャレンジングだなあと思ったのが同日ブルックラディ蒸溜所のサイトで発表されたTransparency(透明性)についての声明です。
Transparency(透明性)については現在コンパスボックスがキャンペーンを張っていて、それについては先日の「小言」で紹介しているのでここでは書きませんが、ブルックラディではこのキャンペーンに乗るわけではないそうですが、フラッグシップである「ザ・クラシック・ラディ」について来月リリース分からボトルに記載されているバッチコードをラディのサイトで検索すると、そのボトルが何時ボトリングされたのか?どんなタイプの樽種を何樽使っているのか?それぞれ何時樽詰めされた原酒なのか?など分かるようにするのだそうです。
この年数表記の無い「ザ・クラシック・ラディ」の原酒について全て発表してしまうと、おそらくかなり若い原酒も使っている筈なので、熟成年数が長い程ウイスキーが美味しいと思っている方には避けられる要因になりかねないので、あるじはとても良い事だとは思いますが、やはりチャレンジングだ!とも思いました。
で、そんなブルックラディをあるじはこれからも応援していきたいなと思っています。

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