あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

先週はカバランとフィディック

f:id:barvirgo:20190306141558j:plain:right:w350セミナーに参加して来ました。
どちらも2~3年ぶりのセミナーでしたが忘れてしまっていた事も多く、それぞれ再確認や改めて感じた事もあり、良い勉強になりました。
そこであるじなりに気がついたことなど簡単に書いてみたいと思います。
まず今日はカバラン、カバランは台湾が2002年にWTO(世界貿易機関)に加盟した事により民間でのウイスキー造りが可能になったのを受け台湾の飲料メーカー「金車グループ」が2006年3月から操業を開始したウイスキー蒸溜所で、現在は幾つかのシングルモルトウイスキーなどリリースして、世界的に沢山の賞を受賞しています。
ただセミナーでも自ら仰っていたんですが、今までの商品は価格が高く、もう少し手頃な価格でとの要望を受け昨年「ディステラリーセレクト」(希望小売価格4,500円)をリリースされたそうです。
因みにこの「ディステラリーセレクト」、100%リフィルカスクなのだそうですが、その樽は他所の蒸溜所で30~40年使われてきたものだそうです。
なので中にはキリンの御殿場蒸溜所で使われていた樽もあるそうです。
そして熟成については台湾の現在の法律では最低2年の熟成となっているそうですが、カバランでは最低4年熟成させているそうです。
但し樽の大きさによってこれは変えているそうで、180Lの樽が4年、350Lの樽が5年、500Lの樽が5~7年だそうです。
また樽は小さい樽が低層階、中ぐらいの樽は中層階、大きい樽が高層階で熟成させ、平均で年10%のエンジェルズシェアが生じるそうです。
なのでカバランとしてはエンジェルズシェアを8%に下げる研究を現在行なっているそうです。
それとシェリー樽、これは2017年からはアメリカンホワイトオークで造り3年ほどシーズニングさせた樽を使うようになったそうですが、それ以前は実際にシェリー酒造りに使用されていた樽を使っていたそうです。
なので現在流通しているシェリー樽熟成の「カバラン」はシーズニング樽ではなくある意味本当のシェリー樽なのだそうです。
などなど他にも色々伺っていはいるのですが、カバランは台湾という国で造る為か、気候が温暖で熟成が早いので、その中で如何に良いウイスキーを造れるか?凄くデータを駆使して科学的に造ろうとしているのを感じました。
という訳でカバランの話はここまで、次回はグレンフィディックセミナーで聞いてきた話など書かせて頂きます。