あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Bainbridge Yama Mizunara Cask Whiskey(ベインブリッジ・ヤマ・ミズナラカスク・ウイスキー)

barvirgo2016-02-24

この春、ちょっと面白いアメリカンウイスキーが少量限定でリリースされます。
それが表題のベインブリッジ・ヤマ・ミズナラカスクウイスキーで、アメリカ・ワシントン州のBainbridge Organic Distillers(ベインブリッジ・オーガニック・ディスティラーズ)という会社が日本の北海道産ミズナラ材の樽で熟成させたウイスキーなのです。
これは日本のウイスキー以外で初めてフルにミズナラ樽で熟成させたウイスキーなのでそうです。
確かにスコッチでも「シーバスリーガル」や「ボウモア」でミズナラ樽を使用したウイスキーはありましたが、これらは一部ミズナラ樽とか追加熟成にミズナラ樽といったもので、フルにミズナラ樽で熟成させたウイスキーとはいえませんでしたからね。
なのでこれは面白いウイスキーだなと思い、ここでも紹介する事に致しました。
なにしろ本当に拘って造ったウイスキーだと思わせてくれましたからね。
先ず北海道で入手したミズナラ材を1/4に切った状態で3年自然乾燥させ、それからアメリカに運び自社でバレル(樽)に加工、そこにワシントン州で収穫されたオーガニックのPint barleyとAlba barleyという大麦を原料にスコッチウイスキーに使用する酵母を使って造られた原酒を入れ、6年以上熟成させたのだそうです。
またネーミングに「ヤマ」というのが入っているのは、1880年代、日本から移民した人たちがワシントン州にあるベインブリッジ島に「山」という小さな村を作っていたからだそうです。
そう、このウイスキーを造った会社、ベインブリッジ・オーガニック・ディスティラーズもこの島にあり、日本と浅からぬ縁があってこのウイスキーも誕生したんでしょうね。
またこのウイスキーの売上げの一部はBainbridge Island Historical Museum(ベインブリッジ・アイランド歴史博物館)に寄付され、この島にあった「ヤマ」という村の歴史を後世に伝える為に使われるそうです。
このウイスキーにはこんな歴史的な事も含まれて造られているのかと思うと、なんだか日本人として嬉しくなる様なウイスキーって感じですよね。
但し、今回リリースされる本数が200本ととても少ないのが玉に瑕で、価格も公表されていないのですが、きっと高くて買える可能性というか飲める可能性が低そうなのが、あるじ的にはちと残念って感じです。
ただ本数が少ないわりには世界で販売すると発表されているので、もし買える方は今後の情報に注意し、購入を検討されてみては如何?

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