あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ブッシュミルズのセミナーに

barvirgo2016-10-17

先週参加させて頂きました。
ブッシュミルズアイリッシュウイスキーアイルランド島で造られている、シングルモルトウイスキーです。
因みに現在アイルランド島は、南のアイルランド共和国と英国の一部になる北アイルランドに分かれています。
そしてブッシュミルズは南のアイルランド共和国ではなく、北アイルランドに蒸溜所は在ります。
国としてはアイルランドではないのですが、先に書いたとおりアイルランド島で造られているのでアイリッシュウイスキーに分類されるのです。
それとアイリッシュウイスキー、ご存知の方もいらっしゃると思いますがウイスキーとしては最も歴史が古くスコッチウイスキーより400年以上前の1076年にその記録を見ることが出来るそうです。
まあこの話をするとスコットランドのディスティラーは皆さん、「アイルランド人は嘘つきだ!」って仰いますがね・・・
それは措いといてブッシュミルズブッシュミルズの歴史も古く1608年創業と言われています。
まあこれは正確ではないのですが、1608年4月20日に現在ブッシュミルズ蒸溜所のある土地のオーナーにアルコール蒸溜のライセンスは発効されており、これを基に1608年創業と言っているそうです。
実際にブッシュミルズ蒸溜所が誕生したのは1784年だそうです。
1784年創業でもかなり古い部類に入る蒸溜所ですけどね。
そしてまたアイリッシュウイスキーの話に戻りますが、20世紀初頭まではスコッチウイスキーを凌ぐ隆盛を誇り140以上の蒸溜所がアイルランドには在ったそうです。
しかし今回のセミナーでも話がでましたが、2つの要因でアイリッシュウイスキーの人気は凋落し1970年代には蒸溜所は北のブッシュミルズ、南のミドルトン蒸溜所の2ヶ所だけという状況になってしまったのです。
その2つの要因というのは1つがイーニアス・コフィによる連続式蒸留機の誕生、そしてそれによるグレーンウイスキーの誕生とブレンデッドウイスキーの誕生で、アイリッシュウイスキー業界ではアイルランド人であるイーニアス・コフィがせっかく生み出した連続式蒸留機によるグレーンウイスキー造りやブレンデッドウイスキー造りには乗りださず、その結果飲みやすいブレンデッドウイスキーを幾つも生んだスコッチウイスキーにマーケットを奪われてしまったのです。
そしてもう1つ凋落の要因がアメリカの禁酒法です。
20世紀の初頭も現在そうですが、ウイスキーの巨大マーケットはアメリカで、そのアメリカで禁酒法が施工されたのですから買い手が居なくなってしまった訳です。
アメリカの禁酒法は10年以上続いたのですから小さな蒸溜所は堪ったもんじゃありませんよね。
買い手が居ない訳ですからどんどん潰れてしまったそうです。
そんな中よくブッシュミルズは生き残ったな。って思ってしまいますよね。
まあそれだけに良いウイスキーを造り続けてきたからこそ生き残る事も出来たんでしょうね。
という訳で造りなどに関してはまた後日
(続く)

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