あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 サントリーでは10年

barvirgo2016-11-09

ぐらいはウイスキーの需要を市場の期待に応えられそうもないと、英国のSpirits Businessに新浪社長が語った記事が掲載されていました。
全文はSpirits Businessの記事を読んで頂くとして、一部抜粋すると「Speaking to The Spirits Business, Takeshi Niinami, head of Suntory Holdings, said it could take up to a decade for Beam Suntory’s Japanese whisky distilleries to meet demand from consumers and retailers.」と書いてあります。
サントリーのジャパニーズウイスキーが皆さんの需要に応えられるまで10年は掛かるとここで言っているのです。
もちろん10年後まで全く需要に応えられないということではなく、徐々に需要に応えられるようにしていくとは書いてあります。
サントリーでは海外にも打って出ているので、生産量をここ数年相当増やしていても、やはり10年近くは原酒が充分に確保出来ないと予測しているようです。
ウイスキーは造って直ぐにボトリングして販売というのが出来ないので、本当にメーカーさんは大変だなと思います。
そしてサントリーでさえ10年は需要を満たせないという事は日本のその他のメーカーも、おそらく同じ様に向こう10年、下手するとそれ以上の間需要を満たすだけのウイスキーをリリースする事は出来ないのではないかと想像出来るので、数が無いぶん価格が高騰したり奪い合いになったりして本当にウイスキーが好きな人が楽しめなくなりそうでちょっと心配です。
また10年近くもマーケットの需要に応えられずにいたらマーケット自体が醒め、やっと皆さんにウイスキーが届けられますって時にウイスキーを飲む方が減ってメーカーが在庫に苦しみ、ジャパニーズウイスキーの業界自体が冷え込まないか?それもちょっと心配です。
まあサントリーではウイスキーの品質を向上させつつ、マーケットにも理解を求め10年後20年後に美味しいウイスキーを提供出来る様にと考えているようなので、皆さんも日本のウイスキーが入手しづらい時は他のウイスキーを飲むなどバランスよく楽しんでもらえたらと思います。
実際味わいでジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーに遜色なくなっていますが、コストパフォーマンスで見たらまだまだスコッチウイスキーの方が高いものが多いですしね。
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