あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 アバディーンからの弾丸ツアー   〜7〜

barvirgo2018-12-12

11月22日(木)、さてノックデュー蒸溜所の見学ですが、蒸溜所の説明を受けた後は製造工程について伺います。

原料のモルト仕入れているので先ずはミリング(麦芽粉砕)、ミルルームでポーティアスのモルトミルを見せてもらいながら話を聞きます。
ミリングについてはそれほど他の蒸溜所と大きな違いはありません。
またポーティアスのモルトミル、これもスコットランドでは定番といってよいほど多くの蒸溜所が使っているのでさほど珍しくもないのですが、左上の写真にあるようにLEEDS時代の物であるじよりお兄さんでした。
余裕で50年以上使われているわけですが、バリバリの現役でまだまだこの先も長く使われていくのだと思います。
なのでマネージャーも仰っていました。壊れないからポーティアスは潰れたんだろうと・・・
因みにポーティアスのモルトミル、HULL時代の物もあるのでプレートを見るとおよそ何時頃から使っているのか分かり面白いです。
 
そして次はマッシング(糖化)について伺いました。
ここではちょうどマッシュタン(糖化槽)に3回目のお湯が投入されているところで、マッシュタンの扉は凄く熱かったのですがわざわざ開けて内部の様子を見せてくれました。ありがたいです。

そしてタンルーム(醗酵室)へ、ノックデューのウォッシュバック(醗酵槽)は写真のように木製(米松)でスイッチャー(泡切り)が付いていませんでした。
で、ここではなんでスイッチャーが付いていないのかの説明もしてくれたのですが、この説明は専門用語が多すぎ何かを使っているからスイッチャーはいらないという事は分かりましたが、その何かはちょっと分かりませんでした。ごめんなさい。
そしてここでの醗酵時間が48時間で、木製のウォッシュバックを使っているにしては短いなと思ったらこの後に見せてもらったのが一番最初にキルン(乾燥塔)で見せてもらったVessel(ヴァッセッル)の上部で、ウォッシュバックで48時間醗酵させた麦汁をこのヴァッセルに移し変え追加醗酵させていたのです。
わざわざ醗酵途中の麦汁を移し変えて追加醗酵させるなんて今まで一度も見た事がなく、本当にビックリしました。
これはウォッシュバックでそのまま醗酵させるよりより複雑な味わいのウォッシュ(もろみ)を得るためなんでしょうね。本当に面白いです。
ここがノックデュー蒸溜所最大のポイントでした。

で、この後はスティルハウス(蒸溜室)で蒸溜について伺い、それから冷却方法は昔ながらのワームタブをメインで使っているとワームタブを見せてもらい、しかしながら環境の事を考えてコンデンサーも使っているんだなんて説明も聞き、最後にウェアハウス(貯蔵庫)を見せてもらい、見学は終了しました。
そしてこのあと試飲タイムとなったんですが、最初4本しかボトルは並んでいなかったのが、後から出てくる出てくる結構幾つも試飲させて頂き(あるじはドライバーなのでどれを貰って帰るか悩みました)、当初の予定をだいぶオーバーしてこの日最後の蒸溜所見学を終えたのでした。
続く・・・
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