あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

Ileach Calendar (イーラハ・カレンダー) 2021

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2020年も後ひと月弱、そろそろ皆さんも来年のカレンダーをご用意されたと思いますが、スコットランドアイラ島のローカル・コミュニティ・ペーパー Ileach(イーラハ)でもカレンダーを作り、その写真を紹介してくれています。
蒸溜所の写真は殆んど無くアイラ島の風景が中心ですが、素敵な写真ばかりなので皆さんも是非ご覧下さい。
そしてスコットランドを訪れることが出来るようになったら是非足を運んで、そして自分の目でアイラ島の素晴らしい景色を見て、アイラモルトを楽しんで頂ければと思います。

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1月
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2月
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3月
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4月
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5月
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6月
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7月
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8月
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9月
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10月
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11月
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12月
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2022年1月

鹿児島蒸溜所巡り ~4~

f:id:barvirgo:20201102103243j:plain:right:w380さて、蒸溜所の見学といえばやはりここ、スティルハウス(蒸溜室)ですよね~!
どの工程も大事なのは分かっているんですが、スティルハウスに入ると上がります。
特に嘉之助蒸溜所ではポットスティルが3基、組み合わせることで色々な原酒の造り分けが出来るのです。
またノンピート麦芽、ピーテッド麦芽、またその組み合わせなど、まだまだ新しい蒸溜所で色々と蒸溜も試しているそうです。
とはいえ基本は2回蒸溜、一番左の初溜釜にアルコール度数約7%のウォート(麦汁)5,600リットルを張り込み、1回目の蒸溜でアルコール度数約20%のローワイン(初溜液)が2,200リットル程度になるそうです。
そして2回目の蒸溜、1回目の蒸溜で得られたローワインの約2/3を真ん中のポットスティルに、そして残りの1/3を右端のポットスティルに張り込んで行なっているそうです。
そうすることによって香味など2回の蒸溜でも違った成分のニューメーク(ニューポット)を得られるようにしているそうです。
また真ん中のポットスティルにもサイトグラス(覗き窓)が付けてあり、初溜が出来るので少量の蒸溜を行なう時などは真ん中で最初の蒸溜を行なっているそうです。
それにポットスティルが3基あるので当然って訳でもないのでしょが、3回蒸溜を行なう時もあるそうです。
それで最終的に得られるニューメークはアルコール度数で69度、容量的には620~630リットルほどで初溜の張り込み量が5,600リットルだった訳ですから最初のウォートからすると約11%程度まで減ってしまっているんですよね。
で、それを加水してアルコール度数63%にして樽に詰めるのだそうです。
あと興味深かったのは蒸溜時の冷却方法で、この時初めて知ったのですが、焼酎の蒸溜というのはワームタブ(蛇管式)を使うのが当たり前で、ここ嘉之助でもワームタブを使用していたって事です。
実際スコットランドでもワームタブを使用している蒸溜所は幾つかありますが、現在の主流はシェル&チューブ式のコンデンサーなので、こうした点も面白いなと思いました。
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そして最後は蒸溜所併設の熟成庫で熟成樽の説明を聞き、あるじは車を運転しているのでヨメだけテイスティングをさせて頂き、嘉之助蒸溜所の見学を終えたのでした。
ただ実際にはもっともっとたくさんのことをお伺いしているので、ここでももう少し詳細に紹介出来ればと思ったのですが、だいぶ記憶力が悪くなってしまったあるじ、この程度しか紹介出来なかったので是非皆さんにも鹿児島へ行って嘉之助蒸溜所、見学して頂きたいと思います。

鹿児島蒸溜所巡り ~3~

f:id:barvirgo:20201102101918j:plain:right:w380さて嘉之助蒸溜所、製造設備は全て三宅製作所、国内のメーカーです。
ウイスキー造りの蒸溜設備、本場スコットランドフォーサイスなどのメーカーもありますが、嘉之助では今まで行なっていた焼酎造りの技術が生かせ、かつ設備に関してこうして欲しいなどの細かいニュアンスを伝えられる日本のメーカーの方が良いと判断し、全てを三宅製作所にしたそうです。
それで製造、嘉之助蒸溜所のミリング(麦芽粉砕)部分は壁の向こう側と言われ残念ながら見られませんでした。
なのでマッシング(糖化工程)から、右の写真がマッシュタン(糖化槽)の中を覗いた写真、糖化が終わったところでドラフ(麦芽かす)が残っているのが見られました。
ここでは得られる麦汁は5,600リッター、糖度は約20%だそうです。
ちなみにマッシングの際投入されるお湯は3回で、1回目が69度、2回目が70~71度、そして3回目が85度だそうです。
ただ、他の多くの蒸溜所が3回目のお湯は次のマッシングの1回目に使用するところ、嘉之助では取りきり、全てウォッシュバック(発酵槽)にまわしているそうです。
これは静岡蒸溜所と同じような理由で、3番麦汁を溜めておくタンクを置く場所がないからだそうです。
但しこれはイースト(酵母)タンクを動かすなどすれば場所を作ることは出来るそうで、今後どうするか検討中だそうです。
f:id:barvirgo:20201102102755j:plain:left:w380そして発酵工程に、写真の床から顔を出しているのがウォッシュバック、木製ではなくステンレス製を使用しています。
そして使っているイーストはアメリカのMWやスコットランドのピナクルなどまだ若い蒸溜所、色々試してもいるそうです。
で、発酵にかかる期間は約5日、アルコール度数約7%の麦汁が得られるそうです。
またウォッシュバックがステンレスで木製のウォッシュバックのような乳酸発酵は起こらないので、今後ウォッシュバックの中に木材を入れて乳酸発酵が出来ないか、そんなことも試そうと考えているとの事で面白いなと思いました。
これからの蒸溜所なんだから本当に色々と試さないとね!
という訳で今回は発酵まで、蒸溜からはまた後日書きます。

鹿児島蒸溜所巡り ~2~

f:id:barvirgo:20201102100619j:plain:right:w380さて、それでは嘉之助蒸溜所の見学です。
嘉之助蒸溜所は現在コの字型の建物になっていて、コの字の奥がレセプション、受付やショップになっています。
なのでまずはそこで受付をします。
それから見学がスタート、いったん建物の外に出て正面左側のコの字の先端で蒸溜所の概要について伺います。
なぜ嘉之助蒸溜所というの名前なのか?どうしてこの場所に在るのか?などですが、このあたりの話はここでは省略して、あるじが関心を持ったのは、嘉之助蒸溜所が当初は小正醸造芋焼酎造りの合い間に生産するつもりで、コの字の真ん中部分にはボトリングホールを建てる予定でいたのをウイスキー需要の多さから、生産自体も昨年から通年で行なう方向へ舵を切り、そうなると現在の蒸溜所では手狭になるのと小正の本業の場・日置焼酎蔵でもウイスキーの製造免許を取ったそうで、ボトリングはそちらの焼酎蔵でやることにしたというのと、焼酎蔵の方でグレーンウイスキーの製造を始めたって事です。
モルトもグレーンも造るのですから完全自社のブレンデッドウイスキーが造れるという事で、これはクラフトウイスキーの雄・秩父蒸溜所でもやっていないので将来楽しみと思いました。
ということでコの字の真ん中には追加の貯蔵庫やタンクが何れ設置されるとの事です。
そんな現在の状況等を伺った後は蒸溜所内に入ります。
蒸溜所内に入ってからもまずは小正醸造の歴史や蒸溜所の名前にもなっている小正醸造の2代目、小正嘉之助氏が米焼酎を樽で熟成させて造った「メローコヅル」の話など伺います。
この樽で熟成させる米焼酎「メローコヅル」が、今の嘉之助のウイスキー造りに繋がっていくっていうのはちょっと感慨深いものがあるなと思いました。
またウイスキー造りに挑戦することを決めた時の苦労や、あるじ的にはウイスキー造りを学んだのがスコットランドのストラスアーン蒸溜所だったというのもとても興味深くやはり実際に足を運んで見て聞かないと駄目だなと思いました。
そして現在の製造について伺います。
現在は1日1トンのモルトを仕込んでいるそうです。
使用しているモルトは英国産で、メインはマントン社というモルトスター(製麦会社)で、その他にクリスプ社、また現在コロナの影響でモルトの入荷が遅れたりと安定しないのでリスクヘッジもあり、ポールズモルト社やベアーズ社などからも仕入れているそうです。
また現在は11ヶ月の稼動で今年から8月の1ヶ月がメンテナンス、そして9月から1ヵ月半ほどピーテッドを仕込んだそうで、その際使用したピーテッドモルトシンプソンズ社製なのだそうです。
メンテナンス後にピーテッドを仕込むのはと思いましたが、その後話を聞くと色々と納得の理由があり、それはここで書くと長くなるので興味のある方は是非嘉之助蒸溜所へ訪れ伺ってみてください。
そしてここから製造の本番、ですがまた長くなってしまうので続きはまた後日書かせて頂きます。

鹿児島蒸溜所巡り ~1~

f:id:barvirgo:20201102102755j:plain:right:w380あるじ今月(11月)の1日(日)から2泊3日で鹿児島を訪れ、2日の日(月)に鹿児島県内のモルトウイスキー蒸溜所を含む3つの蒸溜所を見学させて頂きました。
お天気は雨と残念ではありましたが、やはり実際に酒造りの現場を見せてもらうのは、勉強にもなりますし造り手の想いが感じられて凄く参考になりました。
そこで今回も数回に分けて見学させていただいた蒸溜所の話を簡単に書いていきますので、宜しければお読みください。
まずあるじが最初に訪れたのは嘉之助蒸溜所、焼酎メーカーの小正醸造が2018年にスタートさせたウイスキー蒸溜所です。
案内をしてくれたのは蒸溜所所長の中村氏、とても丁寧に案内をしてくださいました。
まずは心より感謝御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
という訳で嘉之助蒸溜所、鹿児島県の西部・東シナ海に面する日置市、あるじの運転で鹿児島市内から車で約40分ほどの場所にあります。
見学に訪れた時に試飲がしたいというのであれば、鹿児島市内の鹿児島中央駅からJR鹿児島本線に乗り、「伊集院」という駅で折りそこからタクシー乗ると15分ほど、鹿児島市内からだとやはり約40分程度で訪れることが出来るそうです。
そして見学料は1,000円、今はまだ蒸留所が出来て3年経っていないので、ニューメーク・ニューボーンの合わせて3種類のテイスティングが付くようです。
但し、来年になると3年経つのでもしかするとテイスティングの内容は変わるかもしれません。
またショップで3,000円以上のお買い物をすると見学者は500円割引もしてくれます。
などちょっと遠い場所にある蒸溜所ですが、機会があれば是非皆さんも見学に訪れてみてください。
という事で見学の詳しい内容や申し込みについてはこちら嘉之助蒸溜所のサイトをご覧ください。
それでは見学して伺った話、へと進みますがそれはまた後日、暫くお待ちください・・・

【YouTube Live】山崎蒸溜所&白州蒸溜所オンラインツアー

f:id:barvirgo:20180520134902j:plain:right:w380もともとの予定であれば今月から再開する筈であったサントリー山崎蒸溜所&白州蒸溜所の見学ツアー、結局いまだ再開されずその替わりなんでしょう来月15日(日)に両蒸溜所のオンラインツアーを開催するそうです。
白州蒸溜所がまず先で13:00~13:50、山崎蒸溜所がその後15:30~16:20で共にYouTube にてオンライン配信されるそうです。
また共に今月いっぱいは録画配信もされるそうですが、ライヴ配信中はチャット機能を使ってご覧になる皆様の質問にも幾つか答えてもらえるそうです。
でこのオンラインツアー、参加費は無料ですがやはりお酒関連なので20歳以上の方のみの参加となるそうです。
という訳で詳しい内容や注意事項、参加方法は山崎蒸溜所がこちら、白州蒸溜所がこちらとなりますのでなかなか見学に行けない今、オンラインだとどこまで見せていただけるのかも含めサントリーの両蒸溜所、ちょっと覗いてみては如何?

シークレットスペイサイド コレクション オンラインセミナー

f:id:barvirgo:20201022133213j:plain:right:w380というセミナーが、10月31日(土)15時から先着40名で開催されます。
今回「シークレットスペイサイド」と呼ばれているのはペルノ・リカール社傘下の蒸溜所で、その中から先月日本でもリリースされた「ロングモーン」と「キャパドニック」、それとグレンキースにブレイズ・オブ・グレンリベットの 4蒸溜所について説明をしてくれて、且つ「ロングモーン」と「キャパドニック」のサンプル合わせて6種類が試飲出来るオンラインセミナーだそうです。
参加費は6,000円だそうですが、最低でも18年熟成のシングルモルトウイスキーを6種類試飲出来るので、悪くないセミナーなんじゃないかと思います。
まあ実際すでに半数以上参加チケットも売れているみたいですしね。
なのでこのシークレットスペイサイド コレクション オンラインセミナーに参加されてみたいという方は、こちら「Peatix」のサイトに詳しい内容が記載されてますし、また申し込みも受け付けていますので、宜しければチェックしてみてください。
但し、チケットが売り切れている可能性もございますのでその際はご容赦を・・・