あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

  ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所見学 −1−

barvirgo2012-10-22

昨日(10/21)、イチローモルトをリリースしているベンチャーウイスキー秩父蒸溜所に行って来ました。
あるじ自身は3回目の見学でしたが、7名様ほど初めての方をお連れしたので(総勢は12名)、案内をしてくれたベンチャーウイスキーの肥土社長は今回も今節丁寧に説明をしてくれました。
それで、今回は昨年完成したというフロアモルティング用の建物で、今年からモルティング*1を始めるというような話を聞いていたので見学させて頂いたのですが、現在はモルティングのテスト中で、50キロ60キロぐらいを浸漬や攪拌するのに色んなやり方を試している状態なのだそうです。
というのも、この後のミリング(モルトの粉砕)や蒸溜、熟成庫等でも何度も話に出てくるのですが、秩父ならではの気候風土そして毎日の天候などの影響を受け、スコットランドでフロアモルティングしている蒸留所と同じ様にやれば良いという訳ではないからだそうです。
なので秩父蒸留所としてのモルティングのやり方が決まれば、現在の50キロ60キロ単位ではなく、それ以降は1トン単位で仕込むそうです。

そしてモルティングについて少しお伺いしたのですが、大麦に水分を含ませる浸漬に2日、発芽が4〜5日、乾燥に2〜3日ぐらいかかるそうです。
で、秩父蒸溜所にはモルトを乾燥させるキルン塔(乾燥塔)という建物もあるのですが、現在はまだ完成しておらず、乾燥は温風乾燥させているそうです。
また使用する大麦は地元秩父の契約農家の方に造ってもらっている「みょうぎ二条」という品種で、もしかすると埼玉県で開発された「彩の星」という品種も使用するかもしれないそうです。
そして、今年はまだテスト段階だけれども、出来る事なら来年にはちゃんとフロアモルティングを開始されたいという事だったので、是非そうなってほしいなぁと思いました。
またキルン塔で乾燥させられるようになった時には、これまた地元秩父で取れるピート(泥炭)を使って乾燥させるそうなので、それこそ何時かTHE秩父という大麦からボトリングまですべて秩父に拘ったウイスキーが誕生する気がして、とても楽しみになりました。
てな訳で、今日は現在テスト中のフロアモルティングに関して聞いてきた事を書いてみました。
また製造に関しても以前秩父蒸溜所を訪れた後書いてはいるのですが、今回も改めて後日書きます。
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*1:大麦を発芽させデンプン質が貯まった状態にして乾燥させる