あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 エジンバラ〜キャンベルタウン〜アイラ  −26−

barvirgo2016-07-07

5月5日(木)、ラフロイグ蒸溜所の見学も後半戦、キルン(乾燥塔)の後は蒸溜所の海側にいったん出、ラフロイグが「美しい湾に面した窪地」だという説明や天気の良い日にはアイルランドが見える話など聞きます。
そしてマッシュハウス(糖化室)兼タンルーム(醗酵室)へ移動、この場所に入る階段のところにはラフロイグ蒸溜所がチャールズ皇太子御用達の蒸溜所という事もあり、チャールズ皇太子の写真等が掲示してあります。
昨年ラフロイグ蒸溜所は200周年だったので、昨年もお見えになられたんだ、なんて話も伺いました。

でマッシュハウス兼タンルーム、巨大なマッシュタン(糖化槽)とステンレス製のウォッシュバック(醗酵槽)が並んでいます。
そしてここでも醗酵中のウォート(麦汁)の香りを嗅がせてもらうのですが、この頃になると皆さん腰が引けて来てしっかり香りを嗅げなくなっていました。
 
タイミングよく香りが嗅げればフルーティーで良い香りなんですけどね・・・
それから醗酵が進んでウォッシュとかビアと呼ばれる状態になった物をプラカップテイスティング、その昔はウォッシュバックから汲んだ物をそのまま回し飲みだったのですが最近ではプラカップ、それでもウォッシュをテイスティングさせてくれなくなった蒸溜所もあるので、ラフロイグは良い方です。
そしてウォッシュを飲んだ後はスティルハウス(蒸溜棟)に移動です。
ラフロイグ蒸溜所はアイラ島では唯一、スコットランド中を見ても数少ないスティルハウスが別棟にある蒸溜所なのです。
なので中庭を通ってスティルハウスへ、

なんとラフロイグ蒸溜所はポットスティル(単式蒸溜器)の数も7基とちょっと変わっています。
通常は初溜釜と再溜釜が一対でワンセット、もしくは初溜1基と再溜2基でワンセットで、後はそれが何セットかあるという構成になっているので、2の倍数3の倍数が殆どですが、ここでは初溜3基の再溜4基なのです。
しかも再溜釜1基は他の3基とサイズ形が若干ですが違うのです。
これは再溜釜が皆同じだと同じ味わいの原酒しか出来ないけれど、違う物があれば違う味わいの原酒を造れるからだと、まるで現オーナー会社のサントリーのような考えに基づいてそうなっているそうです。

左写真の一番左端の再溜釜がちょっと違うサイズ形の再溜釜、写真中央は流れ出るスピリッツ、そして右写真はポットスティルの裏側にあるローワイン(最初の蒸溜で得られた液体)とフェインツ(2回目の蒸溜で樽詰めに回さない部分)を集めておくレシーバー&チャージャー、この中の液体は次の回の蒸溜の際、再溜釜に張り込まれます。

こうしてラフロイグの蒸溜について説明を受け、最後にウェアハウスを見せて頂き見学は終了、ヴィジターセンターに戻りラフロイグシングルモルトウイスキー各種のテイスティングプラス今回はフードペアリングも体験させて頂きこの日の第1弾、ラフロイグ蒸溜所の見学を終えました。
〜続く〜

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