あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド蒸溜所ツアー 2019 秋 ~16~

f:id:barvirgo:20150923154313j:plain:right:w380グレンファークラス蒸溜所
見学その3

さて、マッシングの後はファーメンテーション、発酵です。
グレンファークラス蒸溜所のウォッシュバックはステンレス製ですが、蓋は木製でした。
蓋まで一体型のステンレス製ウォッシュバックはよく見ますが、こうした蓋は木製というのはそんなに多くは見ないので、ちょっとこれも珍しいなと思いました。
で、そんなウォッシュバックが12槽あるそうです。
そして発酵の為に使用している酵母はリキッドイーストを使用しているそうです。
f:id:barvirgo:20191122141409j:plain:left:w275f:id:barvirgo:20191122140302j:plain:right:w275また発酵は約104時間、約9%のウォッシュが得られるそうです。
f:id:barvirgo:20191122142509j:plain:left:w380で、ファーメンテーションの次は蒸溜所最大の見所スティルハウス(蒸溜室)です。
グレンファークラス蒸溜所のスティルハウスはあるじが想像していた以上に大きいというか広く、これも思っていた以上に大きなポットスティルが3セット6基設置されていました。
写真を見て頂くと分かると思いますが、本当に大きいでしょう。
因みにトップに貼っている写真は蒸溜所の外に設置されている昔使っていたポットスティルなんだそうですが、あるじ的にはこのイメージがあったので、スティルハウスに入って本当にビックリしました。
そしてスティルハウスに入ると見学は一時フリータイムに、スティルハウス内写真を撮っては駄目どころか殆ど撮り放題、昔カメラのフラッシュで火事の可能性があるから駄目なんだっていってた蒸溜所もありましたが、ここではそれどころか蒸溜中にも拘らず蛍光灯の交換をしていました。
万が一落としたら、とかは考えないというかそのぐらいじゃ火事なんて、とでも思っているんですかね・・・
それとグレンファークラス蒸溜所、今も直火蒸溜をしているスコットランドでも数少ない蒸溜所なので、スティルハウスの中は凄く熱かったです。
写真にはありませんが、ガイドさんが「下を見ろ、あれがガスバーナーで」なんて説明してくれましたが、本当に強力そうなガスバーナーがゴーゴーと音を立てていました。
そんなこんなで暫く勝手に見ていた後で蒸溜について説明が始まりました。
グレンファークラスでは約9%のウォッシュが1回目の蒸溜で約24%のローワインになり、2回目の蒸溜で約20分蒸溜をしたところでミドルカットを始め約82%から約57%までをハートの部分(樽詰めにする部分)として取り出すそうです。
f:id:barvirgo:20191122144513j:plainで、この時取り出したアルコールの平均度数は約72%で、これを63.5%に加水して樽詰めするんだそうです。
まあ結構驚く事の多かったグレンファークラス蒸溜所ですが、カスクフィリング(樽詰め)のアルコール度数はスコットランドの蒸溜所の一般的なアルコール度数だったので、ちょっとホッとします。
そしてウェアハウスを見学させていただいた後ヴィジターセンターに戻り、さあこれからお楽しみのテイスティングタイムの予定ではあったんですが・・・
午後1時15分からテイスティングの時間を含め90分のツアーの筈がこの時点で午後3時、ここでゆっくりテイスティングしていると午後3時半に予約を入れてあるグレングラント蒸溜所見学に間に合わなくなるので、今回ツアーに参加して頂いた皆様には本当に申し訳なかったんですが速攻でウイスキーを飲んで頂き、次に予約してあるグレングラント蒸溜所へと向かいました。

~続く~