あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「グレンモーレンジィ バカルタ」についての補足

barvirgo2017-02-28

日本では先週から発売になった「グレンモーレンジィ バカルタ」、その発売直前に実は試飲セミナーがあり参加してきました。
そこでこの「グレンモーレンジィ バカルタ」がどんなウイスキーなのか? 1/24の「小言」では当時分かっていた事を書いておきましたが、セミナーでは当然より詳しい内容が聞けたので、まああるじが面白いと思った点を補足説明させて頂きます。
グレンモーレンジィ バカルタ」、前にも書きましたがマルムジーという甘口タイプのマデイラワインの樽で追加熟成させたシングルモルトウイスキーなんですが、このマルムジーのマデイラワイン樽というのが実際にはマデイラワインを熟成させるための樽ではなく、今回この「バカルタ」を造る為にグレンモーレンジィ社が作った特別な樽だったのです。
というのも20年近く前にグレンモーレンジィでは「マデイラウッドフィニッシュ」をリリースしていたのですが、マデイラワインに実際に使っている樽を使うと味わいが安定を欠いてしまうそうで、造るのをやめてしまったそうです。
しかしマデイラワインの樽を使ったグレンモーレンジィ、樽によっては良い物もあったのでしょう、ちゃんとしたマデイラワインフィニッシュのシングルモルトウイスキーとしてもう1回リリースしたいという思いが募り、自社で樽を作る事から始めたそうです。

なのでこのマルムジーのマデイラワイン樽、実はアメリカンホワイトオークを使ってグレンモーレンジィ社が作ったホッグスヘッド樽(約250L)で通常マデイラワインの樽ではしない強めのチャー(焼き)がしてあり、マデイラワインのメーカーが嫌がるのをお願いしてマルムジーのマデイラを入れて、熟成というか所謂シーズニングをしてもらった樽だそうです。
なので約2年間マルムジーを入れていたそうですが、このマルムジーのマデイラワインは全て処分されてしまったそうです。
ですから樽はかなり高価な樽になってしまったらしく、このマデイラワインの樽でフィニッシュを掛けたグレンモーレンジィはビル・ラムズデン博士も味わいに納得がいったのでしょう、これが最後で2度と造らないそうです。
そして当然特別に造った樽を使って造ったグレンモーレンジィなので基本的にも数が限定されるプライベートエディションの中でも数が少ないそうなので、味わいも個人的にはとてもお勧めできますから是非皆さんも「バカルタ」、見かけたら飲んでみてください。
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