あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

ニッカ カフェジン& カフェウオッカ

barvirgo2017-06-01

セミナーに行ってきました。
今月27日(火)にニッカウヰスキーから発売される新商品、「カフェジン」と「カフェウオッカ」について聞いてきました。
これは現在宮城県仙台市にあるニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所のカフェスティル(カフェ式連続式蒸溜機)を使って造られるジンとウオッカで、このカフェスティルが旧式の精溜度の低さを生かして造られているんだなんて話を聞いてきたのです。
なので先ずはカフェスティルについての話で、カフェスティルは連続式蒸溜機で単式のポットスティルより効率よく度数の高いアルコールを取り出せるのですが、最近の連続式蒸溜機に比べるとだいぶ精製度は低く、それがかえって原料の香り味わいが残るんだって事を伺います。

それでこのカフェスティルで蒸溜した蒸溜液を使って新しいスピリッツが造れないかと、2013年頃から考えていたそうです。
それで誕生したのが今回発表された「カフェジン」と「カフェウオッカ」だそうです。
で、セミナーではモルト原料のカフェ蒸溜液とトウモロコシ主原料のカフェ蒸溜液、それに最新式のアロスパス式連続蒸溜機で蒸溜された蒸溜液の飲み比べがあったのですが、アロスパスの蒸溜液は本当にスキッリとしたアルコールで癖がなく、それに比べてカフェ式の蒸溜液はどちらも原料由来の香り味わいが感じられました。


で、そんなカフェスティルを使ったジンとウオッカの造り方の概要が上記の写真で、ウオッカの方はモルト原料とトウモロコシ原料のカフェ蒸溜液をブレンドしてからウオッカなので白樺の活性炭で濾過をするのですが、濾過し過ぎるとせっかく原料の香り味わいが残るカフェスティルを使っている意味が無くなってしまうので濾過は軽く行なうようにしているそうです。
そしてジンの方は、モルト原料とトウモロコシ原料のカフェ蒸溜液に、山椒を浸漬して蒸溜したスピリッツ、柚子・カボス・甘夏・シークァーサー・リンゴを浸漬して蒸溜したスピリッツ、それとジュニパーベリー・コリアンダー・アンジェリカ・オレンジピール・レモンピールを浸漬して蒸溜したスピリッツ、これらをブレンドして造るそうです。
という訳で使うボタニカル(草根木皮)は11種類、半分以上の6種類が和テーストのボタニカルで、特に柑橘類は皮を使うのですが、乾燥ではなく生のまま冷凍した物を使うそうです。
ボタニカルを分けて浸漬して蒸溜したり柑橘類を冷凍するなんていうのは、真似をした訳ではないんでしょうが、京都蒸溜所の「季の美」の製法に似てるな、なんて思いました。
それとここであるじも初めて知ったのですが、なんと宮城峡蒸溜所にはジン用の蒸溜器が3基も有ったという事です。
言われてみれば以前からジンを造っていたので、ジンの蒸溜器が宮城峡にあっても不思議ではないのですが、なんかイメージが無かったのでちょっとビックリしました。
それでセミナーの最後は「カフェジン」と「カフェウオッカ」のテイスティング、香り味わいが結構感じられるウオッカっていうのも面白いですし、ジンは和柑橘や山椒が結構分かりやすく感じられ、下手にカクテルにするよりはシンプルなソーダ割りとか、今回使われていない和テーストの物と合わせると、良いお酒なんじゃないかと思いました。
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