あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

The Holyrood Cask Program(ホリールード・カスク・プログラム)

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今年7月に約100年ぶりにスコットランドの首都エジンバラの市内にオープンするHolyrood Distillery(ホリールード蒸溜所)、最近ではよくある新規蒸溜所オープン時の樽売りをこの蒸溜所も行なうのですが、この売り方が凄いので紹介します。
まず販売する樽の数は100樽、サイズはバレル(200L)・ホッグスヘッド(250L)・バット(500l)で樽種はバーボン、ポート、シェリーなどなどetc選べるそうで、まあここまでは他の蒸溜所でもよくある売り方なんですが、ここからが凄いのです。
自分が買う樽というか原酒をカスタマイズ出来るのです。
どうカスタマイズ出来るのかというと、ホリールード蒸溜所のヘッドディスティラーDr Jack Mayo(ドクター、ジャック・マヨ)氏と創業者の1人でもあり元マッカラン蒸溜所のマスターディスティラーDavid Robertson(ディヴィッド・ロバートソン)氏の手助けを受け、モルトをどう乾燥させるのか?とか、どんなイーストを使ってどのぐらいの時間醗酵させるのか?とか、蒸溜に関してはどのくらい時間を掛け、どこでカットするのか?など自分でどんなウイスキーを造りたいのか?それにあわせて造られた樽(原酒)にカスタマイズしてくれるそうなのです。
これって凄くないですか!
預かり期間は基本10年だそうなので、10年後にまたどんな味わいのウイスキーになるかは分かりませんが、モルトの乾燥が選べるという事はピーテッドでもノンピーテッドでも、それにピートの焚き加減も選べるということですし、醗酵や蒸溜ではフルーティさなどの香りや質感、そして樽も大きさや材でよりフレーバーに違いが出るので、それを自分の飲みたいタイプを伝える事で色々アドバイスをくれ選んでくれるというのですから・・・
ウイスキー原酒樽の販売方法としてはかなり画期的だと思うのです。
で、因みに樽代は上記に記した事をしてもらう為のコンサル料に10年間の預かり代、保険料、ボトル代、ラベル代、サンプリング代込みでバレルが4,500ポンド日本円にして約68万円、ホッグスヘッドが5,500ポンド約83万円、そしてバットが10,500ポンド約160万円弱だそうです。
もちろん10年後にはその時の税金や輸送量など別途諸経費が掛かりますが、一樽から取れるウイスキーの本数を考えると決して高くないと思うのですが如何でしょう。
という訳で興味をもたれた皆様、もっと詳しく知りたいという方はホリールード蒸溜所のこちらのサイトを訪れ、そしてメールで問い合わせをしてください。