あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

モンキーショルダー

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というブレンデッドモルトスコッチウイスキーのエクスペリエンスと名づけられたセミナーに参加して来ました。
「モンキーショルダー」はあるじ的にも思い入れがあり、発売間もないころの2007年にエジンバラのスーパーで現地飲み用に買ったりして、当時日本でも並行品はありましたが、正規品が販売されないかと期待をしていたウイスキーでした。
そしてその後日本では三陽物産が正規代理店となり日常的に飲めるようになりましたが、これがどんなウイスキーなのか?もちろんウイスキーのイベントなどでは紹介されていましたがセミナーのようなものはなかったので、どんな内容なのか楽しみに行って来ました。
で結論から言うとある意味超衝撃的な事実を知らされるという、これまで「モンキーショルダー」って、て認識されていたことが違っていたという話が出ました。
では何が今まで認識されていた事と違ったのか?
それは「モンキーショルダー」が最初リリースされた時はウィリアム・グラント&サンズ社の3つのシングルモルト、「グレンフィディック」、「バルヴェニー」、そして当時はシングルモルトとしてはリリースされていない「キニンヴィ」をヴァッティングして構成されたブレンデッドモルトウイスキーとしてリリースされ、この3つのシングルモルトウイスキーで構成されているというのが売りで今もそうなんだと認識していたんですが・・・
なんと現在は違うんだそうです。
まあ今回の説明では将来的にはウィリアム・グラント&サンズ3蒸溜所のモルト原酒だけでは「モンキーショルダー」を造る事は出来なくなると思っていたそうで、それが昨今のウイスキーブーム、特に「モンキーショルダー」は世界的にも人気も評価も高く売行きも想定以上に速く伸びたため、時期は明言されませんでしたが現在の「モンキーショルダー」はウィリアム・グラント&サンズ3蒸溜所+スペイサイドの他の蒸溜所のモルト原酒も使い造られているんだそうです。
なんとシンボルマークは3蒸溜所だからこそのお猿さん3匹なのに、使われている蒸溜所の数はそれ以上になっていたのです。
なのでこれまでの売り文句「グレンフィディック」、「バルヴェニー」、「キニンヴィ」の3つの蒸溜所のモルト原酒で構成されているというのが使えなくなってしまったのです。
これって結構衝撃的ですよね。
f:id:barvirgo:20191101134137j:plain:left:w350とはいえ、ここからが凄いなと思ったのは、使う原酒の構成が変っても味わいは変わらないんだという事を説明するために写真もあげながらウィリアム・グラント&サンズでは化学的なテストを行なって原子レベルまで分解し、分子量や分子の比率をオリジナルの「モンキーショルダー」と同じになるよう原酒をヴァッティング、そしていくら分子レベルで同じでも人間が同じと感じないといけないという事で33名のスタッフが官能テストを行ない、そしてOKが出たものだけを「モンキーショルダー」としてボトリングしているそうです。
なので味わいとしてはリリース当初から変っていないそうです。
まあ確かに殆どのウイスキーシングルモルトだってヴァッティングして造られているので、使う蒸溜所が変われど、ブレンディング・ヴァッティングの技術で常に同じ味わいだと感じているので、こうした事も出来るんでしょうね。
あとは「モンキーショルダー」の売り文句、どうしたら良いのか?ちょっと悩みつつ今回のセミナーネタも使いつつ、皆様に飲んで頂けたら幸いです。