あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

ガイアフロー静岡蒸溜所見学に行って来た! ~その3~

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静岡蒸溜所見学、大麦麦芽(モルト)の粉砕工程を伺ったら次は糖化工程、静岡蒸溜所は導線がとても良く壁1枚挟んで直ぐ隣りにマッシュタン(糖化槽)が設置してありました。
ちなみにマッシュタンは日本の三宅製作所製、それで1回の仕込みにモルト1トン使うそうですがそれに対しお湯を2回加えて麦汁を取るそうです。
f:id:barvirgo:20200913131934j:plain:left:w380因みに1回目のお湯は4,000リッター、温度は75~80度、そして2回目が2,000リッターで温度は90度弱だそうです。
また静岡蒸溜所では珍しく3回目のお湯は投入しないそうです。
多くのモルトウイスキー蒸溜所では3回乃至4回投入しているので、これは珍しいです。
まあ他の蒸溜所では3回目4回目のお湯で少しでもモルトの中に残っている糖分を回収して次の仕込みの1回目に投入するお湯として使うため投入するのですが、当然そのお湯を次に使うために回収したお湯を溜めておくタンク等が必要になるのがその貯水タンクを置く場所を設けられず、3回目のお湯は投入していないのだそうです。ただそれでも糖分の回収率は悪くないそうです。
そして取れる麦汁は約5,200リッター、これを温度を落としてウォッシュバック(発酵槽)に張り込むそうです。
f:id:barvirgo:20200913132535j:plain:right:w380という訳で糖化工程の説明を伺った後は再びウォッシュバックの置いてある部屋(タンルーム)へ、蒸溜所見学の最初ではウォッシュバックの下部を見せて頂きながらウォッシュバックそのものの説明を伺いましたが今度は発酵工程について伺います。
発酵の為に使用しているイースト(酵母)はイタリア産のドライイースト、量としては2.5~10Kgと状況に応じて結構変えているそうです。
またオレゴンパイン(米松)製のウォッシュバックで発酵させたウォッシュ(もろ味)は元・軽井沢蒸溜所から引き取ったポットスティル(蒸溜器)で、そして静岡の杉で出来たウォッシュバックで発酵させたウォッシュは直火釜のポットスティルで蒸溜しているそうです。
それと発酵の時間は約36時間、それでおおよそ7~8%のアルコール度数になり、そこから木製のウォッシュバック特有の乳酸発酵が始まりトータルで3~5日発酵にはかかるそうです。
また乳酸発酵に関しては他の蒸溜所ではあまり説明されないウォッシュのペーハー値で発酵の度合いを判断しているという話を伺い、ペーハー値が大事なのかと改めてウイスキー造りの面白さを感じました。
てなところでまた長くなってしまったので、蒸溜からはまた後日・・・