あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド蒸溜所ツアー 2019 秋 ~15~

f:id:barvirgo:20191122142146j:plain:right:w380グレンファークラス蒸溜所
見学その2

さて、仕込み水の話を伺ったらいよいよ蒸溜所へ突入です。
当然製造工程順なので先ずは搬入されるモルトを受け入れる場所へ、でここでいきなり驚いたのが使用している大麦がデンマーク産のコンチェルトという品種を使っているって事ですかね。
まあコンチェルト自体は使っていてもおかしくはありませんが、デンマーク産とは・・・
これがディアジオ系の蒸溜所とかエドリントン系、サントリー系であればスコットランド国内産じゃないと言われても驚かないのですが、ファミリー企業を謳っている蒸溜所だったので本当にビックリしました。
まあ良い品質の大麦であればどこ産でも確かに構わないのですが、大麦はスコットランド産だハイランド産だスペイサイド産だと拘っている蒸溜所も多いので、まさか!って感じでした。
f:id:barvirgo:20191122134631j:plain:left:w270f:id:barvirgo:20191122135847j:plain:right:w280そしてミルルームでミリングについて伺います。
ここではミルマシーンがポーティアスでもボビーミルでもアランラッドでもなくBUHLER(ビューラー)というスイス製のモルトミルを使っていました。
このモルトミルも今まで見たことのないものだったので、こんなモルトミルもあるんだとこれもちょっとビックリしまいた。
で、そんなこんなビックリしていてグリストの粉砕比率を聞き損ね、フラワーが5%だというのだけは分かったんですが、この5%というのも結構少ないなあというのを感じました。
そしてマッシングへ、マッシングは上の写真のマッシュタンで行なわれるんですが、写真だとちょっと分かりにくいかもしれませんが、16.5トンという容量のとても大きなマッシュタンで1回に8トンのグリストを投入するそうです。
またそこに投入するお湯は3回で、1回目が64度、2回目が78度、3回目が84度なんだそうです。
で、投入するお湯の温度も今まで見学させて頂いた蒸溜所とはやはり違うし、マッシュタンの大きさも凄く大きく、1回に8トンの仕込みというのはこの日の午前中に見学させて頂いたベンロマックが1回1.5トンだったのでその差が5倍以上と、その規模の違いなどを普段棚に並んでいるボトルを見ているだけではそんな違いを感じる事がないので、実は造りって同じようで凄く違うのが分かって本当に面白いなと思いました。

~続く~