あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド蒸溜所ツアー 2019 秋 ~12~

f:id:barvirgo:20191122103835j:plain:right:w380ベンロマック蒸溜所見学!
その1

11月22日(金)午前10時過ぎ、この日最初の蒸溜所見学のスタートです。
ヴィジターセンターを出て蒸溜所の建物に向かいながら先ずは仕込み水や原料の大麦について伺います。
ここで使用している仕込み水はウイスキー造りにとても適していて、大麦はスペイサイド産の大麦を使用しているそうです。
この水と大麦に対する拘りは、この後のツアー中この後で聞く拘りと合わせ何度も仰っていました。
f:id:barvirgo:20191122102327j:plain:left:w380そして蒸溜所内へ、蒸溜所内では原料のモルト仕入れているのでミリング(麦芽粉砕)の説明から伺います。
ミリングに使用しているモルトミル(麦芽粉砕機)は、他の蒸溜所でよく見せていただくポーティアス製ではなくボビーミル、ボビーミルも古いミルマシーンで、あるじもこれを使っている蒸溜所に当たったのは3蒸溜所目というレアものです。
そしてこのボビーミルを使ってモルトを粉砕するのですが、グリスト(粉砕麦芽)の粉砕比率が今まで聞いたことのない比率で結構ビックリしました。
その比率というのが、ハスクが20~25%、グリッツが70~75%、そしてフラワーがリトルビットと言っていましたからほんの少しなんだろうと思われますが、フラワーの比率がリトルビットなんて50近く蒸溜所を訪れていますが初めて聞きました。
それで1.5トンのモルトを約2時間かけてミリングし、その後マッシング(糖化)です。
マッシングで投入されるお湯は3回、1回目のお湯が63度で2回目が75度、そして3回目が90度です。
で、1回目2回目のお湯で得た麦汁は発酵にまわされ、3回目のお湯は次のマッシングの1回目に使います。
f:id:barvirgo:20191122103157j:plain:left:w380というわけで次は発酵工程、見学させていただいた場所はタンルーム(発酵室)とスティルハウス(蒸溜棟)が一緒になっていて、そこには4つのウォッシュバック(発酵槽)があり、これらはスコティッシュラーチ(スコットランド産カラマツ)という材で出来ているそうです。
また他にもウォッシュバックがあるそうで、それらはヨーロピアンラーチ(ヨーロッパカラマツ)製だそうです。
そしてこれらのウォッシュバックにディスティラリーイーストとブルワリーイーストの2種類の酵母を使い分け投入し、3日と5日かけ発酵させて約8%のウォッシュを得ているそうです。
この発酵の使い分けで上手に週末(土・日)休みを取ることが出来るようにもしているそうです。

~続く~