あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド蒸溜所ツアー 2019 秋 ~13~

f:id:barvirgo:20191122103846j:plain:right:w380ベンロマック蒸溜所見学!
その2

さて、発酵の後は蒸溜です。
ベンロマックのポットスティルは1セット、ウォッシュスティル(初溜釜)にスピリットスティル(再溜釜)でウォッシュスティルはストレートタイプ、スピリットスティルはバルジタイプで、それぞれ7,500リットルと4,500リットル、小さいとはいいませんが決して大きくありません。
それで発酵が終わって得た約8%のウォッシュをウォッシュスティルに張り込んで1回目の蒸溜で約22~24%に、そしてこの1回目の蒸溜で得たローワインと前回の蒸溜でカットして樽詰めに回さなかったヘッドとテールをスピリットスティルに張り込んで2回目の蒸溜、これで約80%からカットを始めニューメークとしてはおよそ70%ぐらいのアルコール度数で取り出しているそうです。
で、最初ミリングの時に1回1.5トンのモルトを使っているといっていたのが、ここで樽詰めに回す量としては約1,000リットルなんだと仰っていました。
なのでちょっと分かりづらいですが樽詰めに回すハートの部分はかなり絞っているんだという事は分かりました。
また樽詰めに関しては68.5%に加水してから行なっていると仰っていたので、他の蒸溜所に比べると結構高めだなと思いました。
f:id:barvirgo:20191122104553j:plain:left:w380そしてここまで製造工程をグレンアラヒー蒸溜所同様ワンオペ、たった1人でしかもアラヒーと違ってコンピューターなど一切なく全て手作業で行なっているんだそうです。
あるじもベンロマック蒸溜所の製造スタッフが4人しかいないのは知っていましたが、基本作業しているのが1人とは知らなかったのでこれにはビックリしました。

但し、この蒸溜所を訪れた日はたまたまですがカスクフィリング(樽詰め)作業を行なう日だったらしく、作業をされていたのは2人でした。
f:id:barvirgo:20191122105919j:plain:left:w275f:id:barvirgo:20191122110622j:plain:right:w275
という訳でカスクフィリングの様子も見学させてもらい、その後ウェアハウス(貯蔵庫)も見せてもらい、最後はしっかりたっぷりテイスティングをさせてもらったらアッという間に12時を回っていて、今回ベンロマック蒸溜所の見学はとても楽しく、そして「小言」ではあるじが感じた事を充分にお伝えする事は出来ませんが、本当にベンロマックの拘りであったり思いであったりの強さが感じられとても勉強になりました。
そうそう、それとベンロマック蒸溜所では熟成に使用する樽は樽種にかかわらずファーストフィルのみだそうで使用したその後の樽はどうするのか伺ったところ、親会社のGordon&Macphail(ゴードン・マクフィル)に渡して何かしら他の原酒の熟成に使っているんだそうです。
で、ここでGordon&Macphail、日本では代理店含めゴードン&マクファイルといっていますが、エルギンを訪れたお客様に聞いてはいましたが、現地での発音は本当にゴードン・マクフィルでした。
こういった事も聞いてはいたが、ですが実際に自分の耳で聞いて実感するのは違い、実際に現地に行って良かったと思いました。

~続く~